灰本クリニック

症例3 「夕~夜の高血圧(夜ギザ)」

● 73歳 女性 夜の血圧が上がる患者さんです。

 この症例はすでにオルメサルタンmgとナトリックス0.5mg(半錠)を飲んでおり、10月まで血圧は安定していました。しかし、11月中旬から気温が下がって来ると、早朝血圧は変化がありませんが、夜の血圧(午後7時頃、入浴前に測定)が上がって来ました。
 血圧手帳の形はギザギザしており、私たちは「夜ギザ」と名付けています。症例2と比べるとよくわかります。

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 夜の血圧上昇の治療は、①早朝の薬を増やす方法、②夜の測定のおよそ1.5~2時間前(この患者さんでは5時~5時30分頃)に短時間作用型の降圧薬(ワイテンス、アダラートL)を追加する方法の2種類があります。
 この患者さんでは朝に薬を増量すると、薬がもっとも効いている午前9時~12時頃に血圧が110まで下がってしまい、ふらつきも出現します。したがって、朝に薬を追加するのは危険なので、夕方5時頃の台所仕事を開始するときにアダラートL10mgを追加服薬しました。
 図(グラフ右)のように、その日の夜から血圧は120台に下がりました。24時間しっかり血圧を下げるためにはしばしば患者の手間を要します。


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