投稿日時:2025年12月19日
管理栄養士の渡邉志帆です。いよいよ本格的な冬になってきましたね。今年も秋の果物でHbA1c(*1)が悪化する患者さんがたくさんいました。
秋の果物に含まれる糖質量は以下のとおりです。
コンビニのおにぎり1個あるいはサンドイッチ1袋が糖質30-35gですから,以下の果物一個(ぶどうは一房)とほぼ同じですが,おにぎりやサンドイッチより3~4倍もHbA1cを悪化させます。

果物にはブドウ糖と化学組成がよく似た果糖が多く含まれているので、糖尿病患者さんが「柿を1個」食べると食後30分で血糖値は食べる前よりもおよそ100近く上がります(空腹時血糖値100の場合、食後血糖値200まで上がるということです)。それに対して主食となる「コンビニおにぎり1個(米、甘くない炭水化物)」はゆっくり分解されてブドウ糖へ代謝されるので1~2時間もかけて血糖値がゆっくり上がっていきます(空腹時血糖値100から食後血糖値200)。このように果物は急激に血糖値を大きく上げるので要注意です!
HbA1cが悪化した患者さんの栄養相談では「週に1~2回、秋の果物を食べた方」は0.1~0.3%、「毎日食べた方」は0.5~1.5%HbA1cが上昇していました。
秋の次は、年越しそばやおせち料理、お餅など糖質摂取が増える年末年始が迫っています。ごちそうを食べるなら、その前後で糖質を控えておけば1月・2月にHbA1cの急激な悪化は防ぐことができます。
皆さんよいお年をお迎えください。
*1:HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は過去1~2ヶ月の平均的な血糖のコントロール状態を表す値です。