灰本クリニック

遺伝子が同じ一卵性双生児でも太っている方が死亡率は増えない

投稿日時:2020年04月07日

 日本ではメタボ検診という言葉があるが、太っていると病気になりやすいので肥満だと検診で体重を減らすように言われることがあります。ただこれは太って困るのは糖尿病の発症に限った話で、死ぬかどうかとなると話は変わってきます。
 体重が異なる一卵性の双子で危険率に違いがあるかどうかを調べると遺伝的な影響を除くことができます。今回は遺伝子が同じで体重のみ違う双子を調べることで体重の影響のみが心筋梗塞、死亡、糖尿病の発症についてどのように影響するか調べています。
 この研究ではボディマス指数(BMI*1)の異なる約4000組の一卵性双生児を集めた試験結果で、双子のより太っている側では心筋梗塞または総死亡の危険度が高くならなかった。しかし糖尿病の発症率は双子のより太っている側で2.1倍に多くなりました。
 また双子以外の一般住民を集めた大規模な研究では肥満だと心筋梗塞、死亡率を減らし、糖尿病の発症を増やす結果が出ています。肥満は糖尿病の発症という点では不利だが、死亡率が悪くなることはないので太ってきても無理して痩せる必要はないと言えます。

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*1:BMIとは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの肥満度を表す体格指数です。
計算式はBMI=体重(kg)÷身長2(m)です。

出典:Risks of Myocardial Infarction, Death, and Diabetes in Identical Twin Pairs With Different Body Mass Indexes.(BMIが異なる一卵性双生児における心筋梗塞、総死亡、糖尿病のリスク)
Peter Nordström, Nancy L. Pedersen, Yngve Gustafson, et al
JAMA Intern Med. 2016 Oct 1;176(10):1522-1529

薬剤師 松岡武徳
 


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