灰本クリニック

膵臓癌

腹部エコーとCTを使って膵臓癌を早期に見つける

 腹痛や背部痛で膵臓癌を心配される患者さんが大勢います。膵臓癌は発見や治療が難しい恐ろしい癌です。当院では腹部エコーやCTを組み合わせ、見つけにくいこの癌の早期発見に努めています。

 腹部エコーとCTを比べたとき、腹部エコー(図1)では正常の膵臓組織と癌の組織の境界がはっきりと描出されますが、造影剤を使わない単純CT(図2)ではそれらの色合いに差がないので癌を見つけづらいのが大きな違いです。これが腹部エコーの大きな利点で最小で1 cmの大きさでも見つけることができます。膵臓癌の画像上の確定診断は造影CT(図3)で行います。造影剤の流れを4回の時相でCT撮影することによって1 cm以下の膵臓癌を正確に描出できますが、被曝量が多いので腹部エコーで癌を疑ったときに使います。

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 腹部エコーにもいくつか弱点があります。膵臓は胃の裏側にあるため胃のガスなどの影響を受けやすい位置にあること、内臓脂肪や皮下脂肪が極端に多いと超音波が届きにくく見えづらいことなどです。これらの弱点を克服するために検査中に体位変換、呼吸方法、腹部を強く押すなどの工夫をしながら検査を行っています。

  膵臓の大きさは長さが15 cm、幅3 cm、厚さ2 cmと細長い臓器ですから、もし膵臓癌が2 cm以上に発育すると膵臓の外へ浸潤してしまいます。当院では膵臓癌を2 cm以下で見つけるために下記のリスクのある方は1~2年に1回の検査を受けることを薦めています。

 膵臓癌のリスクは
     1. 糖尿病(2倍なりやすい)
     2. 現在の喫煙(2~3倍なりやすい)
     3. 肥満(BMI 30以上)かつ運動不足(2倍なりやすい)
     4. 二親等以内(祖父母、両親、兄弟姉妹、子)に膵臓癌の方がいる(2~3倍なりやすい)
     5. 膵臓の嚢胞(のうほう=水袋のこと)を指摘されている(10~20倍なりやすい)

   これらのリスクが2つ以上当てはまる方は定期的に腹部エコーを受けましょう。


  • 消化器内科
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