尿酸値は下げなくてよい

 皆さんは血液検査の項目に尿酸値があるのを一度は目にしたことがあると思いますが、尿酸値が我々の身体にどのような影響を及ぼすかご存知でしょうか?よく知られるところでは痛風だと思いますが、これはほとんど男性しか発症しないので女性にはなじみがないかも知れません。ではそれ以外はどうでしょうか?
 これまでこの尿酸値をめぐって議論が続いており、様々な病気との関連性が言われています。なかでも腎機能の悪い方に対してはその悪化を防ぐために積極的に尿酸値を下げることが奨められてきました。ところが、腎臓病以外の病気に対しても尿酸値を下げることによって得られるよい効果について詳しいことがはっきりしないため、治療として尿酸値を下げることに賛否が分かれていました。
 そのような背景で、2017年の5月に国際的に権威の高いイギリスの医学会雑誌である※BMJ(British Medical Journal:ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)に今までの尿酸値に関するすべての研究をまとめた結果が発表され、心血管疾患、心不全、高血圧、脳卒中、2型糖尿病、慢性腎臓病、人工透析、癌、総死亡などに対する効果はなく、尿酸値を下げることによって得られる唯一の良い効果は痛風発作の抑制のみという結論でした。つまり、痛風発作が起こらなければ尿酸値は下げる必要がないということです。1年から10年に1回しか起こさない痛風発作に対して毎日薬を服用する気になるでしょうか? 灰本クリニックでは3ヶ月から6ヶ月に1回発作を起こす方だけ患者さんの意向を聞いて尿酸値を下げる薬を処方しています。
 最新の研究によって今まで常識とされてきたことが覆されることが多くあります。当院とじん薬局ではそのような新しい研究結果を柔軟に取り入れ、現代にみあった診療方針を打ち立てています。

※参考文献:BMJ 2017; 357: j2376 http://dx.doi.org/10.1136/bmj.j2376

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