カルシウムサプリを飲んでも骨折を予防しないどころか心筋梗塞が増える

記載者:NS  公開日時:2015年11月02日

-カルシウムと骨密度、骨折リスク、心筋梗塞の関係-
今回は皆さんにも馴染みのあるカルシウムに関するお話をしたいと思います。

 皆さんは「カルシウム」と言われると、どのようなイメージをお持ちになりますか?
一番多いのは骨の成分でカルシウムをしっかり摂れば骨が丈夫になると思われている方が多いかと思います。医療機関では、年齢とともに骨密度が低下してきた患者さんには「カルシウムを摂ってくださいね」と指導してきましたが、最近の研究でそれが間違いだと分かってきました。今回はそれについてお話します。

 まず食事からのカルシウムやサプリメントでカルシウムを積極的に摂る(ビタミンDと一緒に)と骨密度は少し増加するものの、骨折リスクを減少させるほどの効果は無いことが明らかになりました。つまり、カルシウムの口からの摂取は骨折を予防しないのです。さらに、他の論文では6万人規模の研究より、カルシウムのサプリメントを摂りながら積極的に食事からもカルシウムを1日量で1.4g(牛乳1。4Lに相当)以上摂ると心筋梗塞の死亡リスクが2.5倍に上昇するというびっくりするような報告も出てきました。このような最新研究は、私たちの人体では何も努力せずに長期間安直な薬を口に入れればそれで解決というやり方は間違いどころか、害になる場合があることを教えています。

 それでは実際に骨の健康を守るためにどうすればよいのでしょうか。カルシウムやカルシウムの吸収を助けるビタミンD製剤を飲んでも無駄です。日光を浴びながら(ビタミンDは日光の力を借りて皮膚で作られる)、骨を丈夫にするために下肢に重力がかかる運動を毎日十分に行うことです(目安は1日40分の歩行、それを週に4回以上)。そしてカルシウムやビタミンDを食事だけからバランスよく摂る事をお薦めします。骨密度は背骨(椎骨)で測定するのが一番正確でが、市内でも数カ所の医療機関しか設備はありません。もし、ご希望の方には当院と連携をしている病院で測れるようご紹介させて頂きますのでお声掛けください。あまり神経質にならず、女性では50歳を超えたら一度骨密度を測定し、今後の治療計画を相談させて頂きます。 (薬剤師 松岡武徳)

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