英論文が読めるようになると世界が変わる

記載者:NS  公開日時:2016年03月23日

 2年近く前から薬局の薬剤師さんたちと世界中の論文(英語で書かれている)をあちこちの専門誌から探してきては読んでいる。そこにはほとんどの日本人、医師さえもが知らない極めて重大な情報が書いてある。

これらの最新情報を英文で読めてそれを毎日の臨床に活かせるかどうかは、開業医にとっては死活問題である。なにしろ、患者への説得力が違う。たとえば、イギリスから200万人の人たちの体重と認知症の関係を80年以上追跡して、肥満であるほど認知症になりにくいという信じられないほど大規模で長い期間追跡した研究が2015年に発表された。この情報を知らずに患者に認知症を語れない。
 この論文に到達するのに時間はかからなかった。アメリカ国会図書館のホームページ(パブメド、PubMed)に入って認知症と体重という英単語(dementia AND body mass index)を入力するだけだ。この最新の医学文献にたどり着くまでに早ければ5分、あちこち必要な英論文を探しまくっても1時間もあれば10編もの探していた論文が見つかる。その要約は無料で読めるし、最近では論文の初めから終わりまでを無料で読めるオンライン専門誌もたくさん発刊されている。
 つまり、早ければ5分ですぐれた論文見つけて、およそ200~300語の英語で書かれた要約を5分で読めば、世界最先端知識は10分で入手できるのである。英論文が読めるようになると世界が変わったと思えるほど医学知識が増えていく。
 このような体験を私は20才代後半に名大大学院のときに身につけた。当時はインターネットがなかったから、名大医学部図書館にこもって世界から送られてくる学会誌を読みあさっていた。今となっては懐かしい思い出だが、19世紀のヨーロッパの文献を見つけるのに誰一人いない3階まで昇ってかび臭い部屋で古いドイツの文献を読んでいた。
 現在はそれが自宅のパソコンで簡単にできる、信じられない時代なのだ。この便利な技術を仁薬局の薬剤師は知らないし、英論文を読んだこともないと言う。なんともかわいそうだ、世界や医学はもっとおもしろいことを彼ら薬剤師にも分かって欲しいと切に願うという気持ちから、彼らと英文の翻訳抄読会が始まったのは約2年前である。

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