灰本クリニック

オミクロン株への薬の効果 ~東京大学医科学研究所の研究から~

投稿日時:2022年02月12日

 オミクロン株が猛威を振るっており、まだ感染者数の頂上が見えません。オミクロン株に有効な薬はあるのでしょうか。2週間ほど前に東京大学医科学研究所からオミクロン株に対する抗体薬や抗ウイルス薬の研究結果が発表されたので紹介します。(※抗体薬はウイルスにくっついて中和する薬、抗ウイルス薬はウイルスの増殖を妨害する薬)

・点滴薬について
 まず、デルタ株流行時に多用された点滴の抗体薬(ロナプリーブ)はオミクロン株には効かないことが分かりました。もうひとつの点滴の抗体薬のゼビュディは効きますが、デルタ株と比較して効果はかなり落ちており、そもそも流通量が少なく手に入りにくい薬です。

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 一方、中等症以上の入院患者さんに使用される点滴薬のベクルリーはオミクロン株に効果があります。2022年1月末日、「重症化リスクのある軽症者にも使用を考慮してよい」と厚労省より通達がありました。しかし現時点では大きな病院しか在庫がなく、毎日点滴する薬ですので、開業医では現実的には使えません。

・内服薬について
 次に2021年12月末に特例承認された内服薬のラゲブリオはオミクロン株にも効きます。ラゲブリオは重症化リスクを持つ患者の入院や死亡を30%程度減らす効果があるとされますが、その効果が証明されているのはワクチンを1回も接種していない人のデータでした。日本ではワクチンを2回接種した人たちは80%と高く、そのような人たちへの効果はわかっていません。

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 外来軽症者の治療は内服薬が理想です。2月中に特例承認される予定のファイザー社の新薬「パキロビッドパック」や塩野義製薬の新薬に期待しましょう。(文責:灰本耕基)

出典:Efficacy of Antibodies and Antiviral Drugs against Covid-19 Omicron Variant(Covid-19オミクロン変異体に対する抗体および抗ウイルス薬の有効性)
NEJM, January 26, 2022 DOI: 10.1056/NEJMc2119407
Emi Takashita, et al


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