ピロリ菌除菌後の胃の検査について

記載者:NS  公開日時:2016年09月27日

 2014年に慢性胃炎に対してピロリ菌の除菌が保険適応となり、全国的にピロリ菌の除菌が進んでいます。

 ピロリ菌に感染していない胃からの胃癌発生はまれですが、感染した胃からはたくさんの胃癌が発生することがわかっており、ピロリ菌を除菌すると大幅に発癌率が下がります。しかし除菌したらすぐに癌ができなくなるわけではなく、ゆっくりと発生率が減少し約10年後にゼロに近くなります。したがって、当院では除菌した1年後、5年後、10年後に胃カメラ検査を勧めています。
ところが、除菌が成功したので安心してしまい、1年後の胃カメラ検査をしない患者さんも多数います。当院では2016年1月から8月までのわずか半年間に除菌1年後の胃カメラ検査から胃癌が3名も見つかっています。除菌1年後は胃の粘膜の状況を確認するとともに、除菌前にすでに存在した胃カメラでは診断が難しいごく早期の胃癌の見落としを防ぐために、必ず胃カメラ検査を受けて下さい。

 ピロリ菌は3才前後に感染し、胃の粘膜を餌として長年胃に住みつき、次第に胃粘膜を浸食して萎縮(胃の壁が薄くなること)が強くなっていきます。そのため、70才台では除菌したとしてもせいぜい発生率を1/2~1/3にしか減らせないことが最近わかってきたので、70才台の人は3~4年毎の胃カメラが必要となります。なかにはピロリ菌の餌がなくなるほど胃粘膜が荒廃した状態になる場合もあって、“胃硬変”と診断できます。このような胃からは胃癌が最も発生しやすいにもかかわらず、すでにピロリ菌は少なくなっているためピロリ菌検査では感染を証明できません。そのような事情により胃硬変の患者さんには3年に1回の胃カメラを薦めています。
ピロリ菌の除菌後1年以上胃カメラ検査を受けていない方や5年以上胃カメラ検査をしていない患者さんはスタッフまでご相談ください。

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