内視鏡検査

胃カメラ

ピロリ菌について

 1983年にヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori) に感染した慢性胃炎と胃癌、潰瘍との関係pirori.jpgが証明されました。当院では2003年に潰瘍にピロリ菌の除菌治療が保険適応になって依頼、除菌には相当な力を入れてきました。当時日本で最高数の除菌数を誇っていました。しかし日本では胃潰瘍や十二指腸潰瘍だけの保険適応が10年以上も続き、ピロリ菌に感染している慢性胃炎が胃癌発生の温床になっているにもかかわらず慢性胃炎は保険で除菌対象ではありませんでした。この失われた10年間に約200万人の胃癌が発症し、おそらく80万人近くは死亡したと推定されます。

 2008年8月には、日本の大規模研究で早期胃癌治療後の患者にピロリ菌を除菌すると胃癌再発を抑制できることが科学的に証明され、2013年春、ようやく慢性胃炎のピロリ菌除菌が保険で認められました。ピロリ菌の発見から30年もかかっています。これによって胃癌は今後10-20年で日本からほぼ消え去るでしょう。慢性胃炎のピロリ菌除菌の保険適応とは歴史的なできごとなのです。

 ピロリ菌の除菌は、胃潰瘍の治癒だけでなく胃癌をはじめとするピロリ菌関連疾患の根本的治療と共に、将来の胃癌患者を劇的に減少させることができます。これにより膨大な医療費を削減することにもつながります。定期的にバリウム検査や胃カメラを受け続けても、根本的な胃癌の予防にはなりません。胃癌の不安があるかた、バリウム検査が苦手、被曝も気になる方、そのようなことが気にならなくても今や日本人全員が無症状でも胃カメラを受けることができて、ピロリ菌を保険で除菌することができる時代なのです。一度ご相談ください。 

* 但し、保険でピロリ菌を除菌するには胃カメラ検査が必須となりますのであらかじめご了承下さい。
* 採血、検便、尿素呼気試験等の簡易検査のみでは保険適応できません。

ピロリ菌除菌後の胃の検査について

 2014年に慢性胃炎に対してピロリ菌の除菌が保険適応となり、全国的にピロリ菌の除菌が進んでいます。ピロリ菌に感染していない胃からの胃癌発生はまれですが、感染した胃からはたくさんの胃癌が発生することがわかっており、ピロリ菌を除菌すると大幅に発癌率が下がります。しかし除菌したらすぐに癌ができなくなるわけではなく、ゆっくりと発生率が減少し約10年後にゼロに近くなります。したがって、当院では除菌した1年後、5年後、10年後に胃カメラ検査を勧めています。ところが、除菌が成功したので安心してしまい、1年後の胃カメラ検査をしない患者さんも多数います。当院では2016年1月から8月までのわずか半年間に除菌1年後の胃カメラ検査から胃癌が3名も見つかっています。除菌1年後は胃の粘膜の状況を確認するとともに、除菌前にすでに存在した胃カメラでは診断が難しいごく早期の胃癌の見落としを防ぐために、必ず胃カメラ検査を受けて下さい。

 ピロリ菌は3才前後に感染し、胃の粘膜を餌として長年胃に住みつき、次第に胃粘膜を浸食して萎縮(胃の壁が薄くなること)が強くなっていきます。そのため、70才台では除菌したとしてもせいぜい発生率を1/2~1/3にしか減らせないことが最近わかってきたので、70才台の人は3~4年毎の胃カメラが必要となります。なかにはピロリ菌の餌がなくなるほど胃粘膜が荒廃した状態になる場合もあって、“胃硬変”と診断できます。このような胃からは胃癌が最も発生しやすいにもかかわらず、すでにピロリ菌は少なくなっているためピロリ菌検査では感染を証明できません。そのような事情により胃硬変の患者さんには3年に1回の胃カメラを薦めています。ピロリ菌の除菌後1年以上胃カメラ検査を受けていない方や5年以上胃カメラ検査をしていない患者さんはスタッフまでご相談ください。

経鼻胃カメラについて

 当院では、年間700人の胃カメラ検査を行っています。2006年10月より、従来行っていた口からの胃カメラ(経口内視鏡)を、鼻から挿入する胃カメラ(経鼻内視鏡)へ移行しました。経口カメラの太さ約10ミリに対し、経鼻カメラはわずか5.9ミリと非常に細くなり、容易に鼻の穴を通過するサイズとなりました。経口内視鏡では挿入時に咽頭反射による吐き気がありましたが、経鼻カメラでは咽頭反射がほとんどなく、鎮静剤の注射も必要ありません。また検査中も先生と会話ができます。現在では99%の患者さんを経鼻で胃カメラ検査を行っています。検査後のアンケートで90%の患者さんが、次回も経鼻カメラを希望しています。従来の胃カメラで苦しんだ方には、ぜひ経鼻カメラをおすすめします。
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*胃カメラは完全予約制で、毎週木曜と火曜日、第1、第3土曜日の午前診療の前に行っています。

レーザー光源による内視鏡システム導入

2015年10月より 、非常に高精細な拡大画像とレーザー光源による胃や大腸の微細な病変をまるで顕微鏡を覗いたかの様に観察できる内視鏡システムを導入しました。従来のカメラ検査では生検するか否かの判断がつきにくい正常と異常の境界病変に対しても、拡大観察で正確に判断できるようになりました。

 ●カメラの特徴specs_img_02.jpg
1.従来のハロゲンランプとは異なりレーザー光の光りを使い色調を変化させることにより、通常肉眼では見落としがちな数ミリの病変をはっきりとした立体感で浮かび上がらせることができます。

2.正常組織とは異なる、癌に特徴的な粘膜や細胞の血管の乱れ変化までも拡大ズーム(デジタルカメラの様なデジタル拡大2倍)で観察が可能になりました。

この画期的な2つの特徴を生かし、今まで以上の早期がん発見に期待して内視鏡検査に力を入れています。
  

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表層血管観察に適した短波長レーザー光を照射して得られる高コントラストな信号に画像処理を行うことによって、血管や表面構造の観察に適した画像を表示するもの
(富士フイルムより)

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